ICT担当者のテクノロジー探訪 ~点群って何だろう?~
はじめに
「ICT担当者のテクノロジー探訪」と題しまして、池田建設のIT技術をご紹介します。池田建設のICT担当者は未経験から担当を始めて4年目になり、紆余曲折しながらICT内製化を目指しています。紆余曲折の一部分をご紹介できたらと思います。
いまの建設業界はテクノロジーの力で日々変化しています。建設業を取り巻くテクノロジーの進化は凄まじい速さです。この荒波に乗っていくのは大変なことですが、当社も少しずつですがテクノロジー化を遂げています。
現在の池田建設のICT分野は社内外の皆様の協力があったからこそ実現できました。池田建設のICTへの取り組みを少しでも知っていただけると幸いです。
点群って何だろう?
建設業界のテクノロジーに代表されるのが「点群データ」でしょう。
「点群」とは、3D測量技術を用いて取得された、物体の表面を構成する点の集まりのことです。3D測量は、地上型レーザースキャナーといったレーザー測量技術や写真を3D化する技術(SfM-MVS)、ドローンを用いた写真測量技術(UAV)があり、現場に合った道具を選定して使い分けます。
令和6年度 天竜川東伊那地区護岸工事に利用された点群
令和5年度 5災公共土木施設災害復旧工事の着工前状況
点群データは非常に高精度で、無数の点には座標情報が載っています。上の写真に見えるものも、すべて拡大すると小さな色のついた点です。従来の測量方法と比べると、点群データは短時間で広範囲を測量でき、施工箇所の正確な状況を把握することができます。
点群の使い方は多岐に渡り、施工イメージの共有や現況の確認、土量計算に用いられています。点群の活用は施工ミスの減少やコスト削減にもつながり、現場でも便利だという声をたくさんいただきました。
池田建設の場合
点群にはレーザー測量と写真から点群を取得する写真測量の2種類があります。当社は現在まで写真測量で点群を生成してきました。計測範囲が広範囲の場合はドローンを用いたUAVを行い、上空に障害物がある場所では、デジカメを用いて点群生成してきました。
DJI製Phantom4 PRO V2.0
UAV測量の際は、現場でDJI製のドローンを使って空から計測範囲内の写真を撮影します。ドローンのカメラは高精細で美しい写真ばかりです。この写真を写真測量ソフトに取り込んで点群を生成します。
生成された点群はノイズ(不要な点)を除去してから、やっと完成となります
新しい仲間(大型新人)
2025年7月には、新たな仲間にTOPCON社の地上型レーザースキャナー「面トル」を迎えました。
TOPCON製レーザースキャナー 面トル
TOPCON社の地上型レーザースキャナーで、従来のレーザースキャナーのデメリットが大きく改善されました。
計測時間は10分もかからないくらいで終わり、器械を盛り替えたときの人の手による点群の合成作業を必要としません。写真枚数にもよりますが、写真測量が点群のできあがりまで2時間以上かかるのに対し、面トルは10分未満で点群ができあがります。
複数の現場で点群を使うとなると人手が足りませんので、非常に助かります。
面トルが新たに加わったことで点群を活用できる幅が大きく広がりました。
点群を当たり前に
ICT内製化を目指す中でまずICTを社内に浸透させる必要がありました。一部の人は理解していても、ほかの人はあまり理解できていないという状況でした。
「みんなが“点群”という言葉を当たり前に使えるくらいに推進しよう」と心に決めて活動してきました。
これからも社内で広報活動をして参ります。
〇参考:手軽に点群取得できるツール一覧
- LRTK Phone(レフィクシア株式会社)
公式HP:https://www.lrtk.lefixea.com/lrtk-phone - Solution Linkage Survey(日立建機株式会社)
公式HP:https://ict-construction.hitachicm.com/ja/products/solution-linkage-survey/
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