~ 大蛇(土石流)と戦う ~
写真:中尾歌舞伎(三六災害半世紀)
今から13年前、昭和36年6月の伊那谷梅雨前線豪雨災害(三六災)から50年(半世紀)の節目に上演された中尾歌舞伎の新作「三六災害半世紀」の再演がありました。
中尾地区は伊那市の南アルプスのふもとにある旧長谷村の小さな集落。立派な歌舞伎座があり、春と秋に年2回の定期公演があります。古典の人情ばなしもよいのですが、今回の新作も楽しめました。
この地域も土砂災害にはたびたび襲われ、記憶に新しいところでは令和3年8月の岡谷市川岸の土石流で3人の尊い命が失われました。平成18年7月にも岡谷市・辰野町で10名が亡くなっています。
題材となった昭和36年6月の災害では死者・行方不明者139名と、甚大な災害です。60年以上になり、体験した人も少なくなりつつありますが、私たちはその記憶を引き継ぎこれからの地球温暖化で激甚化する災害に立ち向かわなければなりません。
この演目は「土砂災害の記憶を風化させないものとして」と、脚本を手掛けた草野氏(当時の国土交通省 天竜川上流河川事務所長、現 国土交通本省 砂防部長)が冒頭でスピーチしていました。
神話でヤマタノオロチ(八岐大蛇)が土石流の化身と考える研究者も多いし、土石流のことを蛇抜けという地域も多く、この演目でも土石流の姿として大蛇を登場させています。
開演を待つ会場では「昭和36年は生まれていないけど、大きな災害は聞いたことがある」「仙流荘が流されたこともあるんだって」など聞こえてきて、この再演の役割をしっかり果たしたと思いました。
肝心な歌舞伎はどうだったって?・・・それはもちろん、素晴らしかったです。
脚本はもとより、地歌舞伎と思えない演技の達者、6幕ある舞台転換の素早さ、広島から譲り受けたという大蛇の迫力、満席の観客。そして、前日の雨が山頂では雪だったようで、抜けるような青空とアルプスと新緑の里山。
秋の公演には、皆さんも地歌舞伎の鑑賞に中尾まで訪れてみてはいかがでしょうか。
写真:カーテンコール(草野氏を迎えて)
□ 参考となるインターネット上の情報
〇三六災害をテーマにした演目披露(伊那谷ねっと)
〇郷土の悲劇を情感豊かに熱演(信濃毎日新聞)
〇「三六災害半世紀」熱演 中尾歌舞伎が春の公演(長野日報)
〇三六災害を題材にした演目を13年ぶりに上演(伊那経済新聞)
〇三六災害題材の演目披露(伊那谷ねっと)※13年前の上演
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